ILO協議会

ごあいさつ

 公労使の三者構成による「日本ILO協議会(ILO活動推進日本協議会)」が新たに設立されました。
 経済危機が世界的に高まる中で、ILOは、2008年の総会において、「公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言」を採択いたしました。この宣言は、すべての働く人々が、ディーセント・ワーク、すなわち人間らしい生活を営むことのできる仕事を得られるようにするために、雇用の機会を保障すること、ILOの国際労働基準を遵守して職場における基本的諸権利を保障すること、職場の安全衛生その他の社会的保護を拡充すること、団体交渉などの社会対話の促進が緊要であることを確認するものでした。
 ILOは、加盟各国がディーセント・ワークを実現するための国別計画を立て、政労使が協力してその目標に向かって努力するよう要請しています。
 日本国内においても、雇用の不安定化、労働の基本的原則や労働者の諸権利の軽視、働く貧困層の増加と貧富の格差の拡大、社会的保護の切り捨て、ならびに社会対話の形骸化など、数々の深刻な問題が惹起されました。
 これに追い打ちをかけるように、日本はこの度、未曽有の大震災に見舞われ、被災者の方々は申すまでもなく、多くの国民が経済的・社会的・衛生的に不安の最中に置かれています。また、原発事故現場で被曝の危険にさらされながらも働かざるを得ない多くの作業員の方々の労災ならびに安全衛生問題も、当協議会が取り組むべき喫緊の課題であります。今こそ、ILO活動の積極的推進が必要であることに誰しも異論はないと思います。
 ここに誕生したILO活動推進日本協議会は、ILO駐日事務所と協力して、日本国内のみならず、アジア地域の国々の諸情勢にも十分に配慮しつつ、ディーセント・ワークと職場におけるジェンダー平等という国際的な価値観を広く普及させ、またそれを深く根付かせるために積極的な活動を行おうとしています。
 当協議会の運営は、今まで以上に透明性の高い公平公正なものとすること、働く人々、学生、一般市民の方々が、ILOの活動を一層身近に感じ力づけられるように判り易い普及活動を展開すること、それによって自由かつ建設的な社会対話の場を提供できるようにすること、などが極めて大切であると考えます。
 国の内外から寄せられているご期待に沿い得るためには、日本の政府、労働諸団体、使用者諸団体、NGO諸団体はじめ、研究者、学生、一般市民の方々のご支援とご指導とが何よりも必要であります。できるだけ多くの方々が当協議会に加入し活動にご協力くださいますよう、心からお願い申し上げます。


                                  理事長 木村 愛子